東のほうを4日かけて回遊した話#3
お久しぶりです。
前置き等々に入る前にまずは宣伝させてください。
初音MADです。見てね。
一応前回のタイミングでも貼れたのですが、素材として使用した路線に乗るのが今回だったということで。
動画のちょっとしたこだわりとかも書いてみたいですが、今回のメインは旅記なのでそれはまた今度。
閑話休題。
8月どころか9月も終わって少し涼しくなったかなと思っていたら時々思い出したように暑くなる今日この頃。夏休み前と変わらず、毎朝混みあった電車に揺られています。
半袖と長袖の替え時 is いつ。毎年わからん。
という訳でこの時はまだまだ寒い、青森の駅に降り立ってからです。
この記事は
の続きとなっています。
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真夜中の津軽線の踏切からこんばんは。
こんな時間にこんな所で何をしているかと言いますと、あてもなく彷徨っている...という訳ではなく、お宿に向かっています。
既に終電は出てしまっているので、この時間に線路を通るのは北へ向かう貨物列車だけ。
時折鳴る踏切と、貨物列車独特のジョイント音を耳にしながら線路と並走している国道を歩いて北上します。
途中、油川の駅を越えたあたりで海岸に出られる道を見つけたので少し寄り道。
いい感じに青森市街が見えたので何枚かバルブでパシャパシャ。
5分ほど撮ったのち、引き続き北へ向かって歩きます。
ちなみにこの時友人とDiscordで通話しながら歩いていたのですが、途中で相手が寝てしまったので朝は何しようかなとか考えていたら宿に着きました。
はい。
青森から3駅。奥内駅まで歩いてやって来ました。
ここが本日のお宿です。ええ、誰が何と言おうと宿です。
ちなみに着いたときは電気こそ点いてなかったものの、ドアが開いていたのでお邪魔させていただきました。まぁ、着いたの3:30とかだし電気とか点いてるわけないわな。
動いていた時はあまり感じなかった寒さがちょっとずつ身に染みてきたので寒くないように、ダウンジャケットやらコートやらを最大限着込みまして、おやすみなさい。
ふと寒気を感じて目を覚ましてみれば時刻は5:20。段々と空が明るみ始めてきた頃でした。
それにしても寒い。一体何度なのかと気になって調べてみれば2℃。死ぬ気か?
椅子で凝り固まった体をほぐすために動けばある程度体も温まってきます。
外を見れば起きた時よりも空が赤みがかっており、まもなく日の出というところでした。
ここは本州最北の青森。折角なら日の出でも拝んでおこうと思い、駅の跨線橋に上がります。
ゆっくりと昇ってくる太陽。完全に登りきるまで5分にも満たない短い時間でしたが、写真に収めながらだと途方もない時間のように感じました。
今までも近場の山の頂や、瀬戸内海沿いを走る列車の車内*1から日の出を見たことはありますが、普段とは異なる場所で夜明けを迎えるのはいいですね。これでしか得られない栄養素がある。
蟹田方へ向かう送り込み回送(?)の通過を眺めれば青森への始発はすぐにやって来ました。
それに乗り込んで青森まで戻ります。
6時間ぶりに青森駅に戻って来てみれば非常に違和感。
慌てて昨日の写真と見比べてみればなんか封鎖されてる。どういうこっちゃ。
???状態で改札を出ようと出口の指す方へ向かえば昨日と改札が変わっている。
そもそも昨日通ったはずの跨線橋も通っていない...。
ここでようやく駅舎建て替えに思い当って、ちょうど駅に掲示されていたポスターを見てみれば、旧駅舎との切り替えがドンピシャでこの日だったようで。
そういえばと思い返してみれば前日、妙にカメラを持っている人や駅員が多いなと思ったり、18きっぷを見せた窓口の横の自動改札機があるはずのスペースに何もなかったり等々、よく見ていればこの時点で違和感でも感じたでしょうが、寝起きの状態では気付けるものも気付けないですね。
過ぎてしまったものは仕方ないので、旧駅舎の残り香を記録していきます。
入口変更の張り紙を貼っている最中の光景も撮ることができたのでこれはこれでよかったかなと。中々見れるものじゃなかろうし。
一通り外回りを撮ったところで再び駅舎の中へ。
なんか面白いものないかな~とうろついていたらtwitterで定期的に話題になるリンゴジュースしかない自販機があったので購入。
普通のジュースに比べればちょっと値が張ってますが、それに見合う味だったので満足です。
このあと昼過ぎまで列車に乗ることになるので何か食料を買い込まねばと、オープンしたてのNewDaysで多くの駅弁に惑わされた末に会計を済ませ、放送でも録るかと改札に入ります。
何本か放送を録っていたら向かいのホームで何やら横断幕が広げられていました。
7時前から大変ですねと思うと同時に、こんなことをする理由が分からず、特急でも来るのかなと思って待っていたのですが...
まさかのカシオペアでした。
前日の尾久停車中に眠っている状態のカシオペアを見て、あれがそうなのかと思っていたのですが、随分と早い再会となりました。
それにしても間近で見るとかっこいいですね。Nゲージとかで欲しくなるのも分かる。
封鎖されてしまった跨線橋と入れ替えのために引込み線に入った牽引機を奥に写して。
両者とも偶然でしたが、先ほどのものも含め、これはこれで貴重なものを撮れたのでよかったのかなと思います。
ちなみにこれは余談なのですが、この時のカシオペアに某有名鉄道系YouTuberが乗っていたらしく、後日投稿された動画を見てみたら一脚を掲げている自分が写っていました。そんなことある?*2
さて、始発で来てからこうして少しばかり時間を潰していたのですが、ようやく乗る列車が入ってくるということで。
少し前に一部で話題になっていた五能線を走る快速列車、リゾートしらかみです。
途中下車シリーズだかでその存在を知った時から乗ってみたかった列車で、この旅行を計画した瞬間に指定席のきっぷを押さえに行った列車でもあります。
入線から出発まで少し時間があったのでうろつきながら写真を撮っていたら、向かいのホームに止まっていたカシオペアが動き始めたので動画を回したら並びました。あんまり見れる機会は少なそう?
そんなことをしていればすぐに出発の時間はやって来ました。
風光絶佳な五能線を経由して約5時間。リゾートしらかみでの旅のひと時の始まりです。
青森→秋田
乗ってみて気になったのは、思っていたよりもエンジン音などが聞こえてこないこと。
同じ気動車といえど、30年以上前の老兵であるキハ40と比べるのは釣り合いが取れないでしょうが、圧倒的に快適性が向上していると思います。
青森を出て、大釈迦の長いトンネルを抜ければ車窓は一気に田園風景に。
前日に寝ながら通過して見逃した景色を眺めながら、列車は南へと向かいます。
朝ごはんにでも、と思って買ったのですがこれが大当たり。
これでコンビニのおにぎりとさほど値段変わらないの正気か?
車内からまだ頭に雪を被っている岩木山を眺めればまもなく列車は弘前へ。
ここより少し折り返して川部から五能線へと進行方向を変えていきます。
この辺りの区間から車内イベントとして、津軽民謡の語り部や、津軽三味線の演奏などがあったのですが、まぁ津軽弁が何言ってるかさっぱりわからない。
これ以外にも複数の駅の間で吉幾三さんによる津軽弁での案内放送があったりしたのですが、そちらは逐一単語に解説を入れてくれる親切設計だったので、関西弁の民でも難なく理解出来ました。
しかも、各地域ごとに詳細なアナウンスを入れてくれるし、ちゃんとオチもついている。一見の価値ありだと思います*3。
鯵ヶ沢を過ぎて、車窓に海が見え始めてくればまもなく千畳敷に。
15分ほど散策時間が取られていたので、カメラを持って外に出ます。
この日は朝からちょっぴり薄曇りで、海沿いは晴れたらいいな~とか思っていたのですが、そんな心配は杞憂に終わり、綺麗に晴れてくれました。
しかしまぁ、同じ千畳敷の名前を冠しているここと白浜とでも、ここまで違うのかといった感じ。
同じ名称の観光地を巡って、比べてみるのも面白いかもしれませんね。
千畳敷での散策を終えて、再び列車に揺られていれば時刻はほどなく昼時に。
パッケージ通り、牛めしです。
すき焼き風な感じなのかなと思って買ったのですが、どちらかというと牛しぐれのような感じで美味しかったです。
お値段1080円。肉も米も青森尽くしの駅弁がこんな価格で、しかも車窓に広がる海を見ながら食べられていいのか。
マジで全人類乗りに来たほうがいい。最高です。
これもまた余談なのですが、この弁当に使われていたお米、その名も「青天の霹靂」というブランド米なのですが、これがあまりに美味しくて、大阪に帰って来てから探してみたらあったので思わず買ってしまいました。
ブランド米というだけあって流石にお高めですが、さっぱりとした味で美味しかったです。公式サイトにあるカレーも是非お試しあれ*4。
十二湖を過ぎて海沿いスレスレの場所を走りだすと、海岸線に荒々しい岩場が現れはじめます。
津軽国定公園にも指定されている絶景を眺めていると、いつの間にか列車は青森県に別れを告げ、秋田県へと入っていきます。
岩館、あきた白神の順に止まれば、やがて海からも離れていき、沿線に住宅地が目立つようになってくれば列車はやがて五能線の起点である東能代に。
座席を回転させて発車した車内からは3月で引退したキハ40系列が留置されているのが見えました。
ついこの間まで五能線を走っていた車両。しかし、この車両たちに乗ることはもう叶いません。
機会を作ってでも乗りに来るべきだったかなと少しばかり後悔しましたが、こうしてその姿を見れただけでもよかったかなと。
近いうちに北条鉄道に譲渡された編成が動き出した際には当時の面影を感じながら乗ってみたいものです。
川部で分かれた奥羽本線に再び合流し、列車は終点を目指します。
途中ちらっとかつての八郎潟の外縁が見えたり、引退してしまった列車とは裏腹に、新しく開業した駅を窓から眺めていれば、もうまもなく終点の秋田です。
青森を出て約5時間。様々な景色を楽しんだリゾートしらかみでの旅もここで終わりです。
初めは長そうだなぁとか思ってたのですが、そんな心配は全くの杞憂に終わりました。
最初から最後まで飽きることなく、非常に楽しかったです。また乗りに来たいですね。
次の列車まで1時間近く開いていたので、駅ナカでお土産を買い漁ります。
秋田と聞いてパッと思いつくバター餅や、いぶりがっこなどをいくつか買いましたが、土産物の店は見てるだけでも面白いですね。ついつい目移りしてしまって何を買うか長いこと迷ってしまうのが玉に瑕ですが。
土産物棚を見ていたら目についたババヘラアイスに舌鼓を打っていれば、1時間はあっという間に過ぎていき、再び日本海沿岸を南下する列車に乗り込みます。
秋田→羽後本荘
久しぶりの701系に乗り込んで、すっかり耳慣れてきたワンマン放送に耳を傾けていれば、隣のホームに今朝見たはずのカシオペアを牽いていた機関車が単行で入線してきていました。
客車はどこへ置いて来たんだろうかと再び眼下に現れた海を見ながら考えていたらすぐに終点の羽後本荘へ。
到着した羽後本荘の駅舎も改装中で、仮駅舎での営業でした。
今は既に建て替えが終わったそうで、青森駅と同じく東西間の自由通路も開業しているそうです。
ここから乗り換えて、少しばかり内陸へと足を延ばします。
羽後本荘→矢島
乗り換えるは由利高原鉄道。
こちらも途中下車シリーズでその存在を知り、ずっと乗ってみたかった路線の一つです。
ダイヤがJRと絶妙に嚙み合っておらず、行程組みの時に少し難儀したところですが、乗りたいの一心で無理やり行程に詰め込みました。
おばこ号と名付けられている一両編成の短い列車で子吉川に沿って走る、鳥海山と沿線の風光明媚な景色を楽しむ寄り道です。
車内に取り付けられていた風鈴のような形をしたものは本荘ごてんまりと言うそうで、4つほど天井からぶら下がっていました。
先述した羽後本荘駅の東西自由通路の愛称*5にもなっている、この辺りの名産品だそうです。
こうやって地域の特産や名物を置いておくと、ふとした時に目に入って宣伝にもなるので非常にいい。もっとやってくれ。
進行方向左側に座っていた席の反対の窓にはまだまだ雪に覆われている鳥海山が見えてきました。
往路ではほぼほぼ何も考えず、ボーっと車窓を眺めているだけだったのですが、突然何の変哲もない山並みの中から真っ白な山が飛び出てくる光景、すごい。急にどこかへ飛んでしまったのかと勘違いしてしまう。
唯一の列車交換駅である前郷で、2日前にも見たタブレット交換*7を見て、周りが畑の中にポツンと建っている吉沢を過ぎれば終点の矢島へ。
ごちゃっとした街並みの中から頭一つ抜けて山が見えるの、よい。
そこはかとなく御殿場のあたりから見る富士山に通ずるところがある。さすが出羽富士と呼ばれているだけありますね。
駅舎の中には特産品直売所などもあって、THEローカル線の駅という感じでした。
鉄印3つ目です pic.twitter.com/dg8pF3JXxE
— 枚槻 (@Hira2ki) 2021年3月27日
本来であればまつこさんという方が手書きしてくれるのだそうですが、この日は途中で帰られてしまったそうで、代わりに駅員さんに書いて頂きました。
これはこれで珍しい...のか?
折角こんなところにまで来たのなら列車を一本見送って、のんびり駅周りの散策でもしたいところですが、先ほどの通り無理やり行程に詰め込んだところなので、ゆっくりしていられません。
折り返しの列車で羽後本荘まで戻ります。
矢島→羽後本荘
乗ってきた列車に再び乗り込んで、行きとは違う側の席に座り、来た道をゆったり揺られて戻ります。
左右どちら側に座っていても見える鳥海山。いつか登ってみたいもの。
再び前郷で列車の交換待ちをして、行きには看板だけ見て見れなかった旧鮎川小学校が車窓に映れば寄り道もまもなく終わり。終点の羽後本荘はもうすぐです。
この旧鮎川小学校、今は木のおもちゃ美術館という名で、民俗資料館なども兼ねているそうなので、次は時間をとって回ってみたいですね。
そろそろ日没というところで戻ってきた羽後本荘。車体を夕日が照らしていたのが印象的でした。
最初は思い付きで寄った感じでしたが、行ってみたらめちゃめちゃに楽しかったです。また来ます。
羽後本荘→酒田
ここより本筋に戻りまして、再び日本海を右手に見つつ下っていきます。
先行の列車の不具合だったかで遅れてきたこの旅最後の701系に乗って、海運の町である酒田を目指し移動。
酒田
すっかり日も落ちて18時半。酒田に到着です。
途中の車窓からはブルーモーメントの空に雄大な鳥海山がそびえ立っているのが見えました。
ところでこの時の酒田駅も工事をしていたのですが、駅舎建て替えラッシュでも来ているんでしょうか。
30分ほど乗換待ちがあったので、701系を中心に撮って回ります。
一部では走るプレハブだなんだと言われているようですが、私は割と好きです。
ここで乗り換えるは奥にちらっと見えている鼠ヶ関行き。
着いたら何食べようかと考えながら発車を待ちます。
鼠ヶ関
乗ってきた列車はそのまま折り返し酒田行きに。
次の上り列車まで1時間弱あるので、その間に散策がてらご飯を済ましてしまおうという魂胆です。
少しうろついたのち駅を出て、あらかじめGoogleマップで目当てをつけていた店に向かいます。
......団体貸し切りで開いてませんでした。
まぁ、そんなこともあるでしょう。念のためと思って調べていたもう一つの方に行きます。
お、明かり点いてるしやってるわ。よかった~と思ってドアを開けます。
「あ、今日はもう閉めたんよ。ごめんねぇ。*8」
食材の売り切れで早めに店を閉めてしまったそうです。嘘だろ?
まずい。この先の乗換で時間が無いわけではないが、流石に腹が減ったこの状況は避けたい。
そう思い巡らし、他に開いてるお店が無いかを尋ねると、首尾よく近くにあるとのことなのでそこに行くことに。
案内されたお店はどうやら地元の人達が集う居酒屋のような店だったようで、私が入った時も何人かがお酒を酌み交わしていました。
そんな人たちが談笑する店内に、大きなリュックを背負った私。場違い感がすごい。
早く提供できるから、とラーメンを勧めていただいたので注文。
その言葉通り10分もせず出していただいたラーメンはすきっ腹に染みる味でした。美味しかったです。
同じタイミングで店を出た地元の方と話しながら駅まで戻ると、ちょうど列車が来たところでした。
この列車でまだまだ南下します。
村上
鼠ヶ関を発車すれば1分も経たないうちに新潟県との境へ。
この区間は本来であれば五能線レベルで海に近い場所を走っていて、綺麗に海が見えるはずなんでしょうが、暗くて何も見えない。
やることもないのでウトウトしていたら村上でした。
この駅で今日最後の乗換。
新潟を経由する新津行きの終電に乗り換えです。
車内放送も首都圏で聞きなれたあの声に。
「新潟経由の新津行きです」のフレーズ、語感が良くて好き。
新潟
ふと目覚めればいつの間にか新潟に。
なんか昨日もこんな感じで目覚めたなとか思いつつ、列車を降りて改札へ向かいます。
流石に2日もまともな宿を取らないのはいただけない。
という訳で、旅行前に取っていたホテルへと向かいます。
寝ぼけ頭でふら~っと歩いただけでの感想なんですが、思っていたよりずっと都会でした。
片道3車線の道路に駅前歩道の立派なアーケード。どことなく金沢とか敦賀などの北陸の都市を彷彿とさせる感じでした。
豪雪地帯と呼ばれる辺りの駅前って総じてこんな感じなんでしょうか。
萬代橋を渡ってホテルに着いたのは日も変わったころ。
チェックインして部屋で一息つけばドッと疲れが押し寄せてきます。
この旅行の中で一番移動距離が短かったこの日。
とはいえ、楽しさでいえばこの日が一番充実していたと思います。
思い返せることが非常に多い。
長かったこの旅も明日が最終日。
相も変わらず始発から動き回ることになるので、しっかりと体を休めます。
続きます
P.S.
これ書いてる間に長袖に替えました。
毎回本文に時間かけすぎて冒頭に書いた内容と嚙み合わないの何とかしたい。