けやき色備忘録

おでかけがしたい

北の大地を廻る#1

2022年2月11日。

日も沈みかけて、そろそろ夜の帳も降りてくるであろうかといった時間。

 

氷点下を余裕で下回っていた向こうに比べたらマシだなと思いましたが、しかしまだまだ体に堪える寒さであることは確か。

久しぶりに関西特有の騒々しい声や空気を感じ、帰ってきたことに対する安心と同時に名残惜しさも覚えます。

そんな楽しかったと、長旅で疲れたの思いを半々に、新快速に乗り込みました。

 

 

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あけましておめでとうございます(激遅)

晦日の年明けギリギリに更新して以来、ようやくの更新です。

 

いままでここにつらつらと旅記を書き連ねてきましたが、そのどれもこれもが旅をしてから3ヶ月以上経ってから。

旅行中に撮った写真を見れば大概その時の情景を思い出すことはできますが、それでも時間が経つにつれてその詳細は失われていくもの。

ですので、行ったばかりの旅を記憶が鮮明なうちに、新鮮な状態で文字に起こしていこうと思います。

 

HOKKAIDO LOVE!パスを使って、行きたいところをすべて詰め込んだ10日間の旅程を携えた初めてのおひとり様北海道旅行。

試される大地とも呼ばれるその地で、どこまでその大自然に翻弄されるかも密かな楽しみにしつつ、重い荷物を背負って家を出たところから旅の記録はスタートです。

 

 

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2/1 大阪

 

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サンライズ乗りたい

大阪駅。鉄路でどこかへ行くときは7割ぐらいここを通っている気がします。が、今回は夜行バス。

20時を過ぎても全く減らない人波に紛れ、電光掲示板に表示されている遠い地の表示に胸を躍らせながら、乗り場へ向かいます。

 

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見返したらピンボケしてた

前回の名古屋-東京で夜行バスを使った以来久しぶりの乗車です。

 

高速バスというと、少なからず忌避感を覚える人もいるようですが、少し前までは帰省の度に軽自動車の助手席に詰め込まれて関西と関東を往復していた経験もあり、私としては安いし楽な移動手段として割と上位の候補に挙がってきます。

 

私以外にも大きな荷物を持つ人がちらほらと見受けられる吹きさらしの待合室で時間を潰し、ほどなくしてやって来たバスへ。

動き始めてからは北へ向かい、善意で舗装されていて、中央分離帯に線路が敷かれており、5分に一本千里中央行きの電車が隣を通る道を走っていたのを最後に、それ以降は記憶がプッツリ。

時々停車するSAで律儀にSwarmの記録を取っていたようですが、正直あんまり覚えていません。

 

 

 

 

 

2/2 東京駅

 

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やって来ました東京駅。

例によって、今回も丸の内駅舎を撮る時間はありませんでした。

 

前とは別の改札を通り、いつもより一段高いホーム*1へ。

 

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いつかいつかは乗りたいと思っていた北へ向かう新幹線。

どうも小さいころに乗ったことはあるようで写真が残っていましたが、そのころの線路はまだ八戸まで。

 

今回は一人で行った北限である青森よりさらに先。

青函トンネルを越え、いざ北海道。

 

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荒川を渡る頃にはだいぶ日も上がって来て、綺麗な朝焼けと共に遠くに富士山も見えました。

車窓には7時前だというのに東京方面へ向かう車で渋滞していました。流石首都。

 

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大宮を発車してグングンとスピードを上げていくのを感じていたら、いつの間にか宇都宮を通過していて、頭の処理が追い付かねえ~速すぎ~~~と、その速度に打ちのめされていたら、車窓には雪がちらつき始め、気付けば盛岡でした。

 

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盛岡お馴染みのはやぶさとこまちの解結。

近くで撮っている動画をよく見るので、あまり見ない遠くからの動画を望遠で撮ってみましたが、暗くてよくわからないものになりました。

というか、17両って長いですね......。端から端まで全く見通せない。

 

先に出て行ったこまちに遅れること2分。はやぶさは快調に北に向けて走り......

 

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青函トンネルにはいr......あれ?

 

青函トンネルに入りました。」の表示を見たくて、入る前からずっと動画を回していたのですが、どういうわけか流れてくれませんでした。泣いた。

 

 

長いトンネルを抜ければそこはもう北の大地。

あと30分足らずで終点の新函館北斗

 

 

新函館北斗

 

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いやー、来ちゃった。来ちゃったよ北海道。

 

北海道には今まで何度か来たことはありましたが、そのどれもが新千歳から。

ありきたりな飛行機で渡道はつまらないと思い、旅行の一月前からえきねっとトクだ値で50%OFFの切符を押さえ、こうして念願叶って北海道の南の玄関口である函館へやって来たのでした。

 

時刻は11時で、そろそろお昼時。

朝からパンを1つ食べただけで腹は減っているものの、まずは移動。

新幹線との接続を考えてダイヤを組まれているはこだてライナーは見送って......

 

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函館とは逆方向に向かいます。

 

 

大沼公園

 

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かまくら作ってた

駅を出て少し歩けば一面の雪原と目の前に聳える駒ヶ岳

ガロガロと小気味良い音を立てながら走る40の車窓からも眺めていましたが、存在感がすごい。

柵で区切られた向こう側はすべて沼のようですが、結氷した上に雪が積もってしまっていて陸との境目が全く分かりませんでした。雪が融けたら再訪することにしましょう。

 

で、わざわざ大沼公園まで来た理由として、駒ヶ岳を近くで見たかったというのもありますが、本命はこっち。

 

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醤油+餡 小(390円)

大沼だんごです。

存在を知ってからずっと行きたかったのですが、如何せん、そう簡単に来れるような場所ではなく。

 

戻りの列車で誘惑に負けてちょっと開けて摘まみましたが、柔らかい。おいしい。

個人的にはみたらしよりさっぱりとしたあんこが好きでした。

 

駅まで戻る道で、新函館北斗の駅はだいぶ寒かったのに、こっちはそうでもないなと思って、雪にまみれた駅前の温度計を見ると1℃。

日が差しているおかげかずっとぽかぽかしてました*2

 

 

函館

 

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頭端式ホームに到着した電車を降りると何枚も連なるご当地ホーロー看板。

これを見るだけで北海道に来たって気がします。

 

ところで、新幹線を降りた時にも思いましたがドアだらけですね。

それだけ寒さ対策をしないと冷気がすり抜けてくるってことなんでしょうが。

 

時刻は正午をまわって13時。

列車内でだんごはつまんだものの、味見程度では腹も膨れず。

ここは北海道。せっかくならばおいしいものを食べましょう。

函館朝市でお昼ご飯を食べようと当たりを付けて、市場の中をうろうろしつつ、お店を探していたら500円海鮮丼の文字が。

 

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朝市食堂二番館(五目丼 500円)

最初は500円?マジで?と半信半疑でしたが、注文したらすぐにこれが出てきて閉口。

大阪とかで頼んだら1000円近い値段になるんじゃねえのこんなのとか思いながら食べてました。おいしかったです。

 

食べ終わった後、閉店時間も近いし空いてるだろうと思って朝市内をぶらついていたらセールストークにやられていろいろ買ってしまいました。

がごめ昆布、とろろがオススメです。

 

 

摩周丸

 

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宿のチェックインまで時間があったので青函連絡船摩周丸を見学。

船内の計器室とか通信室だとかは大体そのまま残っているそうで。初めてモールス信号打ちました。

パネルで展示されている内容も当時を知らない私にとっては目新しい事ばかり。

次の北海道上陸は津軽海峡を船で渡ってこようと心に決めました。

 

 

1時間ほど時間を潰し、宿に重い荷物を放り込んだらそのまま街歩きへ。

市電の一日乗車券を買い、適当に乗り潰ししつつ、目をつけていた資料館まで散歩。

 

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函館市北方民族資料館

初めはウポポイに行こうと思っていたのですが、どうにも予定と噛み合わず断念。

その代わりとしてアイヌ民族関係の資料館を探していたらたまたま函館にあったので見学。

入館料も200円と安く、展示もさることながら、建物自体も中々に面白く大満足でした。

 

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資料館を出た後は市電通りから外れて、坂を上って洋館の立ち並ぶ通りを雪を踏みしめながら歩いていきます。

 

海沿いの町で坂が多く、その上には西洋風の建築が並んでいる、というのでどことなく既視感を覚えていましたが、どこか神戸の街と雰囲気が似通ってますね。

異国情緒漂うといった点では横浜とも似ていますが、やっぱり坂があるせいか、三ノ宮から北に向かって歩いているような気がしてならなかったです。

 

 

函館山

 

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せっかくなら夜景も見に行きましょうと思って函館山のふもとへ。

ロープウェイに乗れば10分とかからず頂上まで向かえますが、往復するといいお値段。

ここで当時の私は貧乏性が働いて、雪がそこまで強くないのをいいことに頂上まで雪中登山することにしました。

 

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が、登り始める前に日没の時間は過ぎていて、5合目を過ぎたぐらいで辺りは真っ暗。

懐中電灯で道を照らしながら進みましたが、それでも暗い。いつぞやの暗峠を彷彿とさせるシチュエーションでした。

 

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ロープウェイ乗り場からグネグネ登ってくること30分。何事もなく無事登頂。

家に眠っていたスノーブーツを持ってきていたのですが、この雪山登山でも全く滑ること無く、雪道に対しての全幅の信頼を置くようになりました。すごい。

 

肝心の夜景は噂に聞く言葉通りの綺麗さ。

登頂直後から雪が強くなってきたようで、視界が悪くなり始めてきていたのが少し残念でしたが、これは自分の足で上がってきてよかった。

 

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下りはケチらずにロープウェイに乗って降りてきたら吹雪まくってました。

 

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十字街まで下ってきて、夜の函館の散策を再開。

面白そうだなと思って目星をつけていた東北以北最古のエレベーターやら日本最古のコンクリート電柱やら、やたらと最古のものが固まっていたのでまとめて見物。

エレベーターを見に来たと施設の人に伝えたら説明付きで乗せてもらえたり。手動式のエレベーター、初めて乗りました。

 

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再び十字街から市電に乗って、湯の川へ行く途中の五稜郭公園前で途中下車。

 

五稜郭へ行ってもよかったのですが、今回の目的はそれとは別。

市電を降りて10m。目と鼻の先にあるミスタードーナツが目的地です。

 

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ほんとにこの電停のすぐ左にあった

地元のパン屋がフランチャイズ契約どうこうで安いというカラクリだそうですが、実際行ってみると他より3~4割ほど安かった。

個人的にはこういう他店舗と違う特徴があるお店もそれだけで観光対象になると思っているので、積極的に行ってみたいところではあります。

 

そのあとは温泉で有名な湯の川へ行きましたが別段何をするでもなく、一本見送ってそのまま折り返し。

その足で別の温泉へ行きます。

 

 

谷地頭

 

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湯の川温泉みたいな名の知れた温泉に入ってもよかったのですが、そういったところは夜が早いのもあり、再び函館山の麓まで戻って来て谷地頭温泉へ。

ただの公衆浴場と侮るなかれ。有馬に似た茶褐色のお湯が張った広い湯舟に430円で入れます。雪見露天風呂もあります。最高。

 

上がった後、次の市電まで時間があったので赤レンガ倉庫のあるベイエリアまで歩いたのですが、全然湯冷めせず、ずっとポカポカしたままでした。

 

ベイエリアでは閉店間際のハセガワストアに駆け込んで割引シールの貼られたやきとり*3を手に入れ、市電通りを歩きながら再び函館駅へ。

 

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25分遅れてきた最終の北斗の到着を見て、雪の降る道を宿まで戻ります。

 

昼に食べ残した大沼だんごとやきとりを食べ、この日は終わり。

明日からの道内大移動を楽しみに、早々に瞼を閉じます。

 

 

続きます

*1:中央線ではない

*2:過去天気を見たところ北斗市は0℃。お日さまは偉大。

*3:やきとりと名乗っているが串に刺さっているのは豚